本文へスキップ

健康情報

本文スタート

2013年03月睡眠障害

 春の気配が漂い始めた今日この頃、皆様はどの様にお過ごしでしょうか?「春眠暁を覚えず」という言葉がありますが、春先は、寒い季節から徐々に暖かくなることで、ついうっかりボーっとしてしまうなど、何かと眠気に襲われることも多くなるのではないかと思います。そこで今回は、眠りに関する病気と言いましょうか、障害について触れてみたいと思います。


 


睡眠障害


 睡眠障害とは、睡眠に何かしらの異常がある状態をいいます。1990年頃に発表された睡眠障害国際分類(International Classification of Sleep Disorders、略称は ICSD で アメリカ睡眠医学会がヨーロッパ睡眠医学会、日本睡眠学会、ラテンアメリカ睡眠学会の協力により策定した睡眠障害の分類です。)によりますと、睡眠障害は主に4つに分類されるそうです。

 

睡眠異常 ・・・ 睡眠自体が疾患であるものを指す。不眠症、ナルコレプシー、睡眠時無呼吸症候群、睡眠相後退症候群など


睡眠時随伴症 ・・・ 睡眠中に見られる異常な行動。夜驚症、夜尿症、睡眠麻痺、周期性四肢運動、睡眠関連摂食障害など。


内科・精神科的睡眠障害 ・・・ 精神病や不安障害、うつ病などに伴う不眠や過眠など。


その他 ・・・ 未だ分類が正確になされていない、短時間睡眠者や長時間睡眠者など。


 


「春眠暁を覚えず」寝すぎる時は“過眠症”に注意


 過眠症(かみんしょうとは、睡眠が異常に多くなる疾患のことですが、ここで一度、アメリカの研究機関である米国国立神経疾患・脳卒中研究所National Institute of Neurological Disorders and Stroke(NINDS)のホームページを拝見することにいたしましょう。


 それによりますと、過眠症は日中の過度の眠気や長時間の夜間睡眠が繰り返されることに特徴があるそうです。夜に眠れなくて疲れてしまうのと違って、過眠症の患者は日中の眠ってはいけない時に、仕事中や食事中、会話中などに何度も居眠りしたくなるような強い眠気にさらされ、これらの日中の居眠りは、通常は症状を和らげることはなく、患者は長時間の睡眠から起きるのがつらく、ボーっとしてしまう。他に、不安・いらだち・無気力・落ち着かない気分・思考の遅延・発声の遅延・食欲減退・幻覚・記憶障害などがあるそうです。患者によっては、家庭や社会、仕事などにおいての能力が欠落してしまう症状が確認できるそうです。典型的に、過眠症は青年期または若い成人の段階で発見されることが多いようです。一日10時間以上の睡眠を最低2週間常に取っているのか、日中に何度も居眠りをしてしまうような場合に過眠症と診断することが出来るようです。


 


原因は何か


 過眠症は脳障害や、うつ病、尿毒症、線維筋痛症などにより引き起こされ、また、他の睡眠障害の症状を引き起こす元となることもあるそうです。また、他の薬(例えばですが、うつ病・不安双極性障害向けの向精神薬等)の副作用や禁断障害、ドラッグやアルコールの乱用でも引き起こされる場合があります。


 体重過多の人は過眠症になりやすいそうです。過眠症により睡眠過多がエネルギー消費を妨げるので、それが悪化して減量するのが難しくなるそうです。


 その他、感染症から過眠症となるケースも見つかっているという報告もあるそうですが、中には、過眠症は子供のインフルエンザによって起こる場合もあるそうです。


 


治療方法


 治療方法としては、例えば、アンフェタミン、メチルフェニデート、モダフィニルなどの中枢神経刺激薬の処方を受けたり、他の薬剤としては、抗うつ薬 等を処方されたりすることもあるそうです。普段の生活や行動を改善することで症状を抑える事も可能なようです。例えば、夜勤や就寝時間までの社会活動を避ける、減量をするといった方法です。過眠症の方は、基本的にアルコールとカフェインを控えたほうがよいそうです。


 

 以上のように、睡眠障害は特殊な病ですので、専門家の指導や診断をあおぐようにするのが賢明な選択なのですが、生活習慣を改善してみるなど、身の回りの自分で打てる手もありますので、身近なところから少しずつ対策を練ってみるのも一つの手といえます。もちろん、先に述べました通り、専門家と相談の上で。