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健康情報

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2017年05月心臓にまつわるあれこれ

心臓はなぜ胸のやや左側にあるの?

心臓は頭のてっぺんから足の先まで血液を送る大切な役目をしています。体の真ん中のおへそあたりに心臓があれば、体のすみずみまではほぼ等距離の位置なので血液を届けやすいのに、なぜ体の真ん中よりも高い、胸の位置にあるのでしょうか? それは、おへその位置から頭のてっぺんまで血液を送り届けるとすれば、220mmHgくらいの高い血圧を必要とするからです。

このような超「高血圧」状態が続くと、人間の血管は40年足らずでボロボロになり、すべての人が短命な人生を終えることになります。そこで、血管にやさしい120mmHgくらいの血圧で送り届けることができる位置まで進化をとげたのです。

心臓が胸のやや左側に位置しているのは、多くの人の利き腕は右なので、古代から、外敵と戦うときや獲物をしとめる際に、体の右側がけがをすることが多かったからです。心臓が簡単に傷つけられてしまっては致命傷となるので、やや左側に位置することで大切に守ることになったのです。



心臓が大きい人のほうが元気、はウソ

心臓は自分の握りこぶしぐらいの大きさが標準サイズです。心臓が大きければ血液を送り出す力も強いはず、だから大きいのは健康な証拠と考えるのは間違いです。心臓は大きくても小さくても働きは低下します。特に心臓が大きくなる心臓肥大は要注意です。

肥大した心臓は、図体ばかりでかくてエンジンの燃費効率が悪い中古車のようなもの。F1エンジンを搭載してラリーに参加する国産車のように、燃費効率のいい(血液を送り出す力がしっかりしている)心臓を維持したいものです。

心臓肥大は血管の動脈硬化が原因です。血管が硬く厚く変化し、血液の通り道である血管の内腔が狭くなってくると、高い圧で血液を送り出す必要があります。こんな状態が続くと心臓は疲れてしまい、心臓の筋肉(心筋)が厚く変化して心臓自体も大きくなってきます。

高性能の心臓を維持するには、動脈硬化・高血圧などの生活習慣病の予防が大切です。

 

動悸がしたら?

ドキドキして脈が速くなったのをしずめる超簡単な医学的処置を覚えておきましょう。目を閉じて、まぶたの上から眼球を指で静かに圧迫するだけです。人差し指と中指をそろえて押すとやりやすいです。両目を同時に押すのではなく、片方の目だけを押します。両目を押し続けると脈が止まる、というのは極端ですが、危ないので片目だけにしておきましょう! 眼球を静かに押すと、三叉神経→延髄→迷走神経を介して心拍数が減少します。これを「眼球心臓反射=アシュネルの反射」といって、この法則を応用した処置法です。

また、冷たい水を飲んで気持ちを落ち着かせるのも効果があります。

疑う病気は?→頻脈がくり返し起きるときは、心臓弁膜症や心筋炎、甲状腺機能亢進症などの疑いも。

受診するなら?→内科、循環器科



パニック発作でも脈が速くなる

電車に乗ったときやエレベーターの中などで突然、不安にかられて脈が速くなる症状があります。呼吸も速くなって汗もかき、このまま死ぬのではないかと不安がつのる。ところが救急車を呼んで病院に着く頃にはケロッとして、脈も通常に戻る。こんな症状が「パニック障害」の発作です。抗不安薬、抗うつ薬などをのむと改善されます。

受診するなら?→精神科(精神神経科)、心療内科