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健康情報

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2016年08月賢い水分補給

水は一気飲みせず、少しずつ分けて飲む

私たちの体の60~70%は水です。水がなくては生きていけません。呼吸とともに水分は体外に出ていくし、じっとしていても体の表面からは絶えず汗が分泌されて蒸発し、体温を調節しています。このように、自然に呼吸器や皮膚から水分が排泄されることを「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」と呼んでいます。気づかないうちに排泄されているというわけなのです。体をよく動かしたときやスポーツをしたときは汗をたくさんかいて多量の水分が失われます。

1日に摂る水分の必要量は2.4~3Lですが、食べ物から約1Lが取れるので、水としては1.5~2L飲む必要があります。汗をかいたときはさらにプラスして水分補給を心がけましょう。とはいえ、一気飲みはお酒だけでなく水分補給にも禁物です。食事どきやお茶の時間はもちろんですが、1時間半おきにコップ1杯(約200cc)の水分補給を目安にしたいものです。また、運動中は脱水症状を防ぐ意味でも15分に1回の十分な水分補給が欠かせません。

 

寝る前に飲む水、直前では遅い!

テレビの健康番組などでよく、睡眠中に血液がドロドロになるのを防ぎ、脳梗塞・心筋梗塞などの「梗塞事故」を起こさないように、寝る前にはコップ1杯の水を飲みましょう!とすすめています。しかし、水を飲むタイミングとしては寝る直前というのでは実に遅いのです。正解は寝る2時間前に飲むことです。起きて体が活動している状態なら胃の働きも活発で、水分の吸収と有効活用がスムーズに行われます。睡眠中は胃の働きもお休みモードとなるので、寝る直前の水分補給は胃にとって負担となるのです。

睡眠中は水分の補給がままならないので血液中の濃度が上がり、健康な人でもサラサラ状態とはいかなくなります。まして動脈硬化や高血圧・糖尿病など持病がある人は、寝る2時間前の水分補給が欠かせません。夜中に目が覚めた時や、トイレに起きた時には必ず水分補給をしてから眠るようにしましょう。また、お酒を飲んだときはアルコールを分解するのに多くの水分を必要とするので、いつも以上に水分補給を心がけましょう。



スポーツドリンクは糖分3.5%が理想的

スポーツをしているときは発汗や筋肉疲労で大量の水分が消費されます。脱水症状になるのを防ぎ、集中力を切らさないためにも水分の補給はとても大切です。しかし、ただ水を飲めばいいのかというと、そうでもありません。そこで、スポーツをする際の賢い水分補給をマスターしたいものです。

水分補給にスポーツドリンクを利用する人も多いですが、カギをにぎるのは含まれている糖分の割合です。運動中の集中力を保つためには、血糖値ができるだけ変動しないことが望ましいのです。

糖分を摂ると、それを利用するためにインスリンが分泌されて血糖値が上がります。市販のアイソトニック飲料でも、糖分が6~7%と多いものを飲むと血糖値が急に上がり、その後、急に下がります。このような血糖値の乱高下は集中力を切らすことになります。おすすめは、糖分が3.5%以下のもの。これなら血糖値はほぼ一定に保たれるので、集中力も持続します。ドリンクのボトルには、100gあたりの栄養成分の明記が義務づけられています。「糖質」という部分に敏感になって、数値の低いものを選ぶようにしたいですね。