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健康情報

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2014年09月ひざの痛み

整形外科を訪れる患者さんの訴えのうち腰痛と並び非常に多いのが「ひざ」に関するトラブルです。特に増加しているのが「変形性膝関節症」で、女性は男性の3~5倍といいます。

変形性膝関節症とは・・・この病気は文字の通り、膝関節の変形が原因で痛みを起こします。痛みは特に階段を降りる時に強く、歩きはじめや長く歩いたあとに痛みがひどくなるのが特徴です。痛みのほかにも、ひざに水がたまって軽く熱をもったり、ひざが曲がりにくくなり曲げるとギシギシと音がなることもあります。変形性膝関節症は急性の病気ではありません。徐々に関節軟骨がすり減ってくるので症状の現れ方もゆっくりです。最初は痛みというより、なんとなくひざに違和感がある、すなわち”こわばり”から始まります。進行すると痛みが強くなり、ひざの曲げ伸ばしができなくなり、寝たきりになってしまいますが上手にコントロールしていけば症状を軽くすることもできます。

 

25歳から軟骨摩耗

関節軟骨がすり減ってしまう最大の原因は老化です。膝関節は人体の関節中でも負担が大きい個所で、25歳くらいから既に軟骨の摩耗が始まってしまいます。関節がぐらつかないよう、関節の周囲で支えている筋力の低下も摩耗を促進させてしまう原因です。特に、運動不足で太ももの筋力が衰えていると関節軟骨の摩耗が進みやすくなります。年齢的には50代から急激に増えはじめ、女性が男性の5倍近くになる理由として男性に比べ筋力が弱いことが原因と思われます。一説によれば軟骨の耐用年数は50年ともいわれ、年をとれば程度の差こそあれ、ほとんどの人に膝関節の変形が起こっているのです。

 

カラダの内外で、予防と治療

①温めて治す

リウマチの急性期や捻挫などのように膝の炎症(発熱や発赤、はれ)のある場合を除けば、痛みは患部を温めることでずっと楽になります。患部を温めると筋肉や腱などの緊張がやわらぎ、血液の中にたまっていた発痛物質も押し流されるためです。

②薬物療法

関節痛に効く医薬品は外用の液剤やクリーム、軟膏、パップ剤、パス剤、内服ではビタミンB1剤やコンドロイチン配合のもの、解熱鎮痛剤などがあります。最近では、インドメタシン配合の医薬品への期待が高まっています。

③体操

「膝が痛い時に体操なんてできるのですか?」と思われるでしょうが、変形性膝関節症は膝に負担をかけなければ痛まないのが特徴です。むしろ膝を動かすことで、膝の痛みがとれるのです。

④マッサージ

風呂上りに薬を塗ってマッサージをすることは血行をよくして痛みをとる効果があります。身体が温まっているうちなら、吸収もよく痛みもかなり減るはずです。

⑤ウォーキング

慢性期の治療を家庭で続け、ほとんど痛みがなくなってきたらウォーキングを始めます。1週間に2回以上、1回は20分以上、歩数にこだわらず平地を歩くことで膝を強くしていけるのです。

⑥肥満の解消

肥満の人は、ただ立っているだけでも膝に過重な負担がかかります。肥満は糖尿病などの原因であるばかりか、腰痛や膝痛の原因にもなっているのです。

⑦正しい姿勢の維持

体重は同じでも姿勢によって膝にかかる負担は変わってきます。正しい姿勢をとるためには、背筋をスーっと伸ばしておくことがまず大切です。

⑧筋肉の強化

よく歩くことは膝の筋肉を鍛え、再発予防にもなります。少し早足で、男性なら毎分100メートル、女性なら90メートルです。