本文へスキップ

健康情報

本文スタート

2014年01月働き盛りの男性を襲う痛風

 痛風は働き盛りの男性の病気です。30代後半~40代にかけて初めての発作を起こす人が多く、痛風患者の98.5%は男性です。

痛風の発作は血液中に尿酸が溜まることで起きます。尿酸は、食べ物や体内組織に含まれるプリン体という成分が代謝されて生じる老廃物です。しかし、何らかの原因でプリン体の代謝に異常が生じ、尿酸が大量に作られたり腎臓からの排出物が低下したりすると、体内に尿酸が溜まることになります。血液中の尿酸は、濃度が1デシリットル中7mgを超えると結晶化し始め、関節などに沈着します。そこに炎症が起きて、ある日突然関節が赤く腫れあがり、一歩も歩けないほどの激痛を生じるのが痛風発作です。

 このように血清尿酸値が1デシリットル中7mg以上(高尿酸血症と呼ぶ)であることは、痛風発作が起きるための必要条件と言えるでしょう。そして最近初めて発作を起こした人でも、恐らく5~10年も前から血液中の尿酸値は高かったはずです。痛風は、自分の健康を過信気味の人がかかりやすい病気ともいえます。前途のように尿酸はプリン体の代謝産物、つまりエネルギーの燃えカスなのです。プリン体の原料は、ATP(アデノシン三リン酸)や核酸、一部の食べ物などだがこれらの物質をガソリンとすれば、それが分解されて最終的にできる尿酸は排ガスと考えればよいのです。

 

 ストレス解消は穏やかに

 車の運転では、穏やかに走行している時は排ガスはあまり出ませんが急発進・急停止を繰り返すような能率の悪い運転をすると汚い排ガスが多く出ます。同様に短期間にたくさん食べる、飲むなどして体の中のエネルギーを一度に多量に使うような無理をする人では、尿酸値は上がりやすいです。また、日頃運動をしていない人がたまにジムなどで激しい運動をすると、生体のエネルギー源であるATPをたくさん消費するため、やはり尿酸値は急激に高まります。痛風の患者にはストレス解消と称して、こういう行動パターンを取っている人が大変多いのです。

 現在、働き盛りの男性の20%が高尿酸血症と言え、日常生活の改善が必要です。痛風は生活習慣病の1つです。フグの白子やビールを制限したからといって、尿酸値が下がるわけではありません。飲みすぎや食べ過ぎ・運動不足や逆に激しい運動のしすぎ・肥満・ストレスなどが重なって高尿酸血症になるのです。このため、尿酸値を下げるには次の5つのポイントに気をつけることが大切です。

 まず食事については、全体的に量を減らし肥満の解消に努めましょう。お酒はアルコール自体が尿酸値を高めるので、全ての種類のアルコールをできるだけ控えます。水分の摂取量を増やし、毎日少しでも歩くなど、楽にできる有酸素運動を長く続けましょう。最後に、「あれもこれも」と欲張らず、のんびり・ゆっくり型のストレス解消法を心がけましょう。