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健康情報

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2012年08月夏バテについて

暑い季節、皆様どうお過ごしでしょうか?

 さて、この時期心配な症状に「夏バテ」というものがあります。「体がだるい。」とか「疲れがとれない。」など、症状をご存知の方もいらっしゃるかと思います。では、そもそも夏バテとは何なのでしょうか?そして、なぜ夏バテになってしまうのでしょうか?今回は、夏バテについて触れてみたいと思います。

 

夏 バ テ と は

  夏バテとは、高温多湿な環境においておこる、一種の適応障害の事をいいます。一般的には「食欲が出ない」「全身の疲れがとれない」「思考力の低下」「朝起きるのがつらい」「冷たいものばかり飲む」「下痢や便秘」といった症状が現れます。場合によっては「頭痛」「めまい」「発熱」など日常に支障をきたす状態に陥ったり、熱中症や日射病などの病気を引き起こしやすくなる恐れもあります。

 夏バテ症状は夏が終わりに差し掛かる頃に出やすいようです。これは、長く続いた過酷な暑さで疲れがピークに達し、厳しい残暑や秋に向けての気温の変化などで体の調整機能が損なわれやすい状態となっているためと考えられます。

 

 

夏 バ テ の 原 因

 なぜ食欲が無くなるのか?

 人間は、脳内の視床下部にある体温調整中枢によって、暑さや寒さなどの温度変換に対応しています。気温が上昇すると、この中枢が働いて皮膚への血流量を増やし、皮膚の温度を上げて体内の水分を蒸発させようとします。これが汗をかく仕組みです。ところが、皮膚に血流が集中すると、胃腸の血流量は対照的に減少します。これにより胃腸の働きが低下し、胃液の分泌も減少します。消化する力が弱まり食欲が無くなります。

 なぜ疲れるのか?

 暑くなると人間の体は体温の上昇を防ぐために汗をかきます。しかし汗によって体が冷えると、再びエネルギーを生産する必要があり、夏場はこのサイクルによって疲労しやすくなります。また、気温が高いと、例えば5度上がっただけで、脈拍数は通常より高く、1分間当たり15%近く増えるといわれます。そのために心臓や筋肉も疲労してしまうのです。

 睡眠不足

 寝苦しい夜が続いて眠れなかったり、夜更かしなど、慢性的な睡眠不足になると、日中の疲労が抜けにくくなります。不規則な生活は、自律神経の乱れにもつながります。夏の場合、睡眠に適した気温は25℃で湿度は50%くらいといわれています。ただし、だからといって冷房機器を用いすぎると、やはり体温調節機能を低下させて体に問題を引き起こすもとになります。

 冷房機器に注意

 冷房機器の普及によって、室内は涼しく外が暑いといった状況が見られます。この様な温度差が激しい場所を行き来すると、自律神経が乱れがちになり、体温調節機能の低下や頭痛など自律神経失調症の症状を引き起こす場合があります。人間が対応できる温度変化は5℃以内だといわれ、それ以上の温度変化が度重なると体に不調が現れる危険性があるります。暑ければ暑いほど冷房を強めるなど、私たちの周りには、温度差を広げる原因がたくさんあります。

 

 

夏 バ テ の 対 処 法

  それでは、夏バテの対処法についていくつかご紹介いたします。

 適度な運動

 夏バテ対策には、軽い運動が効果的です。(ウォーキング、ストレッチ等)炎天下でのハードな運動は疲れを増長させる恐れがあるので逆効果です。運動することで、食欲を促し、乱れてしまった自律神経のバランスを正して、夜しっかりと眠ることにつながります。体を動かす事で、適度な疲労感が得られ、眠りにつきやすくなるのです。

 適切な食事

 夏になると食欲の減退から軽い冷たいものを食べる機会が増え、栄養バランスが偏りがちです。こういった時、食物の消化吸収を促進させるビタミンB1を摂る事で、弱りがちな体をサポートする事が必要です。なかなか食が進まないという時には、トウガラシやコショウなどのスパイスを上手に利用してみるのもよいでしょう。辛み成分が胃に働いて食欲を刺激してくれます。独特の香りを持つニラやニンニク、玉ねぎにも同じような効果あります。

 適切な温度調整

 外の気温が高いと、人間の体は、いつもより高い温度でも「快適だ。」と感じる仕組みになっています。そのため、冷房の温度は28℃以上が好ましく、タイマーも設定して冷えたままにならないことが望ましいと思います。また、冷房がきいた職場にお勤めの方々は、例えばブランケットを足に掛けたり羽織ったりするだけでも違います。

 充分な休養

 寝不足や不規則な生活は避けて、十分な休養をとりましょう。就寝前の入浴で、ぬるめのお湯にゆっくりつかると、体がリラックスします。快眠のポイントは7~8時間程度の十分な睡眠時間を確保することです。快眠を得るには体内の生活リズムを乱さない事が重要です。

 

 

上 手 な 水 分 補 給

  水分補給の重要性は以前お伝えできているかと思いますが、夏場は特に重要です。通常一日に必要な水分量は一日に2~2.5ℓです。ただし、これは通常の場合であって、夏場はそれ以上の補給が求められます。ただし、暑さに負けて水分を取り過ぎてしまったり、冷たいものを飲みすぎるのは、あまり良い事とは言えません。冷たい飲み物は、胃腸の働きを低下させて食欲減退を招くとともに、水分を摂り過ぎると胃酸が水分で薄められてしまい、食べ物が消化されずに、十分な栄養補給ができなくなってしまいます。水を飲む場合でも適度な温度で適量を飲むことが求められます。